いま、日本各地で竹林が放置されています。
かつて日本人にとって生活の一部だった竹は、プラスチック素材などに取って代わり、使われなくなってしまいました。そのために、放置された竹林が里山の雑木林などを侵食して生態系に影響を及ぼし“竹害(ちくがい)”などと呼ばれるようになりました。竹林を間伐し、資源として活用することが求められています。
そこで、1998年に、中越パルプ工業株式会社は、間伐された竹で紙をつくるプロジェクトをスタートさせました。竹は生長が早いですが、中が空洞なので製紙原料としては効率が悪いために、紙としては活用されてきませんでした。
しかし、同社は工場がある鹿児島県薩摩川内市の方々の協力を得ることで、ついに国産竹100%の竹紙を製品化することに成功しました。
わたしたち「竹紙ラボ」は、せっかく開発された竹紙をたくさんの方に使っていただくために、竹紙だけを扱うデザイン工房を設立しました。
竹紙の色にはナチュラルと白があります。印刷の“にじみ”もなく、写真などの発色もきれいに出ます。紙は一般に白が好まれますが、ぜひ、あたたかな風合いのナチュラルも使っていただけたらうれしいです。
光を求めて、すくっと天に伸びる竹は、むかしから縁起物として親しまれてきました。そんな竹を100%利用した竹紙を名刺やショップのネームカードに使ってみませんか? 開業やビジネスにも、ぴったりです。
1. 伐採
タケノコ農家では、生産性を向上させるために5年周期で竹を間伐します。以前は間伐した竹は、竹垣や竹籠などに使われてきましたが、プラスチック素材などが台頭したために、山に放置されるようになりました。
2. 運搬
伐採した人が直接チップ工場まで持ち込むことによりコストを抑えることに成功しました。
3. チップ
チップ工場で竹チップに加工します。竹は空洞で硬いので、何回もナイフを交換する必要があります。チップ工場の協力を得ることができました。
4. 製紙
竹の繊維は広葉樹よりも長く、針葉樹よりも短いために、“強くてしなやか”という特徴があります。こうした特徴を活かしてつくられたのが竹紙です。環境負荷の少ない無塩素漂白を最小限に行うことでナチュラルカラーに仕上げています。
中越パルプ工業では、国産の竹を100%使用した同社の竹紙認証マークとして「竹紙100」を発行しています。
ご希望の方には、印刷物に同社の発行する「竹紙100」マークを付けることができます。